1次試験で当初目標の3科目(「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」)の科目合格達成後、翌年に向けての勉強スタートです。
通信講座からテキストが届く
1次試験終了後、来年度の1次試験で受験をする残り4科目「経済学・経済政策」、「財務・会計」、「企業経営理論」、「運営管理(オペレーション・マネジメント)」のテキストが段ボールいっぱいに送られてきました。
3か月で3科目の勉強をしたことに比べると、次の1次試験までおよそ1年あるので、時間的には余裕があります。通信講座の講義配信予定に合わせて、1次試験の勉強を進めます。
財務・会計
今回は中小企業診断士1次試験の財務会計に焦点を当てて、効果的な勉強法についてお話しします。財務会計は1次試験だけでなく、2次試験でも重要な科目であり、しっかりと理解することは合格への鍵となります。特に2次試験では記述式という難しさもあり、じっくり取り組む必要があります。初学者の方にも、確実なステップでアプローチしていきましょう。
科目設置の目的
財務・会計の科目設置の目的と内容を見ると以下の通りです。
(科目設置の目的)
財務・会計に関する知識は企業経営の基本であり、また企業の現状把握や問題点の抽出において、財務諸表等による経営分析は重要な手法となる。また、今後、中小企業が資本市場から資金を調達したり、成長戦略の一環として他社の買収等を行うケースが増大することが考えられることから、割引キャッシュフローの手法を活用した投資評価や、企業価値の算定等に関する知識を身につける必要もある。このため、企業の財務・会計について、以下の内容を中心に知識を判定する。
⑴ 簿記の基礎:簿記原理、会計帳簿、決算処理一巡(試算表・精算表の作成、決算仕訳、貸借対照表・損益計算書の作成)
⑵ 企業会計の基礎 :損益計算書(収益の会計、費用の会計)、貸借対照表(資産の会計、負債の会計、純資産の会計)、キャッシュフロー計算書、企業結合(合併・分割、連結決算)、会計ディスクロージャー、税効果会計
⑶ 原価計算:原価概念、原価計算の種類と方法
⑷ 経営分析:経営比率分析(収益性、流動性、生産性、成長性)、損益分岐点分析、利益増減分析
⑸ 利益と資金の管理:利益計画(限界利益と貢献利益、プロダクト・ミックス)、予算・実績差異分析、資金繰りと資金計画
⑹ キャッシュフロー(CF):CF の種類と算出(CF の概念、営業 CF、投資 CF、財務 CF)、CFマネジメント(フリー CF、運転資金の管理、CF 関連比率)
⑺ 資金調達と配当政策 :資金調達の形態(内部金融と外部金融、直接金融と間接金融、自己資本と他人資本、企業間信用、リース)、資本コスト(借入金のコスト、社債のコスト、普通株式のコスト、剰余金のコスト、加重平均資本コスト)、配当政策(配当の種類、配当性向、配当政策の効果)、最適資本構成(財務レバレッジ、モジリアーニ・ミラー(MM)理論)
⑻ 投資決定:貨幣の時間価値と割引キャッシュフロー(DCF)、投資評価基準(回収期間法、会計的投資利益率法、内部収益率(IRR)法、正味現在価値(NPV)法、収益性指数法)、不確実性下の投資決定
⑼ 証券投資論:ポートフォリオ理論(ポートフォリオのリスクとリターン、効率的ポートフォリオ、最適ポートフォリオの選択)、資本市場理論(資本資産評価モデル(CAPM)の理論、指数モデル、CAPM と財務決定)
⑽ 企業価値:株価の算定(配当割引モデル、株価収益率、株価純資産倍率、株価キャッシュフロー倍率)、企業価値評価モデル(割引超過利益モデル、割引キャッシュフローモデル)、企業合併・買収における企業評価(収益還元方式、純資産方式、市場株価比較方式)
⑾ デリバティブとリスク管理:リスクの種類、オプション取引(コールオプション、プットオプショ
ン)、先物取引(先物為替予約、通貨先物取引)、スワップ(金利スワップ、通貨スワップ)
⑿ その他財務・会計に関する事項
はい、初学者にとっては全く意味が分かりませんね。。。
財務会計勉強法:重要なステップとヒント
簿記から基礎を固める
財務会計を理解するためには、まず簿記の基本をしっかりと理解することが必要です。簿記の基本を学ぶことで、企業の取引や財務データがどのように記録され、報告されるのかを把握できます。以下のポイントを重点的に学びましょう。
① 基本的な仕分け: 取引の性質に応じてどの勘定科目に記帳するかを理解しましょう。例えば、売上はどの勘定科目に、支払った経費はどの勘定科目に記録するかを把握します。
② 勘定科目の意味: 主要な勘定科目の意味と役割を把握しましょう。資産、負債、純資産などの勘定科目が、企業の財務状況をどのように表しているのかを理解します。
③ 財務諸表への影響: 各取引が貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書のどこに影響するのかを把握します。取引がどの諸表にどのように反映されるかを理解することが、財務データの分析能力を高める基盤となります。
私自身も、簿記の基本をしっかりと学ぶことからスタートしました。簿記の入門書を購入し、基本的な仕訳や勘定科目の意味を学びました。これにより、財務会計の複雑な内容に取り組む準備が整いました。
財務諸表のつながりを深く理解するために、以下の図書も参考になりました。

この本は、財務諸表の中でも特に重要な「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つの書類を、一体として理解する方法を解説しています。これにより、単に各書類を単独で読むだけでなく、相互の関係性を把握することで、会社の経済的な健全性や収益性を総合的に判断する力を養うことを目指しています。
具体的な内容としては、以下のポイントが挙げられます。
- 財務諸表の基本的な概念の解説: まず初めに、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書それぞれの基本的な概念と要素についてわかりやすく説明されています。
- 諸表間の関係性の理解: 各諸表の数字がどのように連動しているかを詳細に解説し、企業の経済的な状態を把握するための手がかりを提供しています。
- 企業の例を用いた解説: 具体的な決算書を用いながら、理論だけでなく実践的な観点からも財務諸表の理解をサポートしています。
この本は、財務諸表を初めて学ぶ人や、既に基本的な知識があるがより深い理解を求める人にとって、財務情報を効果的に読み解く手助けとなる貴重な一冊です。わかりやすい言葉で説明された内容と、実際の企業の事例を通じての学びが、財務諸表の専門的な知識を身につけたい読者にとって非常に役立つことでしょう。
簿記の基本を学ぶことで、財務会計の理解がより深まり、中小企業診断士試験の1次試験に臨む準備が整います。しっかりと基礎を固めた上で、次のステップとして財務会計の具体的な内容に挑戦してみましょう。
モチベーションを保つための対策
計算が苦手な方や初学者の方は、モチベーションを維持するための工夫が必要です。以下のようなアプローチが効果的です。
- 基本問題の重視: 難しい問題に一気に取り組むよりも、まずは基本問題から取り組んでみましょう。基本がしっかりできれば、難問にも立ち向かえる自信がつきます。
- 財務的な考え方の理解: 数字だけでなく、財務会計の背後にある考え方やイメージをつかむことが大切です。身近な例を考えながら学ぶことで、論理的に理解しやすくなります。また、漫画や図解を活用することで、楽しみながら学ぶことができます。
- 目標の明確化: 財務会計を勉強することで何ができるようになるのかを明確にしましょう。具体的な目標を持つことで、勉強への意欲が高まります(後述)。
財務会計を学ぶとできるようになること
中小企業診断士試験における財務会計の学習は、キャリアに大きな可能性を開く重要な一歩です。この科目をマスターすることで、経営や企業の健全性を理解し、経営者や企業の未来をサポートするプロフェッショナルになる道を切り拓くことができます。
財務会計の学習がもたらす具体的な能力と可能性
- 企業の健全性を見極める力: 財務会計を学ぶことで、企業の財務諸表を読み解く能力を得ます。貸借対照表や損益計算書を分析し、企業の経済的な健全性や収益性を判断できるようになります。これにより、経営者やクライアントに的確なアドバイスを提供し、企業の将来を予測する力が身につきます。
- 経営の意思決定をサポートする力: 財務会計の知識は、企業の経営者やマネージャーが重要な意思決定をする際に不可欠です。収益の最適化、資金の運用、投資の判断など、経営に関する多くの分野で活かされます。財務分析のスキルは、企業の成長を後押しする力となるでしょう。
- クライアントへの価値提供: 財務会計の知識を活かして、中小企業のクライアントに対して高度なアドバイスを提供することが可能です。経営課題の解決策や業績改善の提案を行い、クライアントのビジネスを成功に導く存在となることができます。
あなたのキャリアの可能性を広げる
中小企業診断士試験で財務会計を学ぶことは、ただの資格取得だけでなく、キャリアに新たな扉を開くことです。経済の専門家としてのステータスを手に入れ、経営の舞台で活躍する道が広がります。財務会計の知識は、あなたを中小企業の成長を支える重要な存在へと変えることができるのです。
積極的な学習と努力が報われる瞬間は、合格の瞬間だけではありません。学んで得たスキルが企業や経営者に真の価値を提供し、社会に貢献する瞬間こそが、この学習の本当の成果です。ぜひ、目標を高く掲げ、財務会計の学習を通じて未来への一歩を踏み出しましょう。皆さんの成長と成功を心から応援しています!
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